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『ヤバいマンション』【怖い話・短編】

不思議さ★6

元スレ: 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?311

【怖い話・短編】
【怖さ  6】★★★★★★☆☆☆☆
【不思議さ 6】★★★★★★☆☆☆☆

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『ヤバいマンション』【怖い話・短編】【怖さ6/10・不思議さ6/10】

780: 1 2013/05/03(金) 22:46:54.00 ID:YQxm2UlW0
もう7年前、まだ俺が学生だった頃の話

入学した時から半年近く住んでいたアパートが、どうも不動産屋のミスで二重契約状態
だったらしく、裁判になって俺は期限内に出て行かないといけなくなってしまった。
不動産屋が菓子折りもって謝りに来て、期限内には必ず条件に合う空き部屋を探すと
言っていたのだが、タイミングが悪かったのか運がなかったのか、どうしても条件に
合う場所が見付からず立ち退き期限が来てしまった。

不動産屋も相当焦っていたんだと思う。
ほんとにギリギリになって「とりあえず1ヶ月以内に見つけるからひとまずここに臨時で
住んでほしい」と、とても俺の家賃じゃ住めないような賃貸マンションを紹介された。
つくりは少し古くて恐らく築20~30年くらいは経っていそうだが、部屋は2つあるし風呂とトイレ
も別でかなりいい場所だった。

俺はあまりにも都合のいい話で当初事故物件を疑ったのだが、不動産屋が言うには
そういう事もなさそうだ。ただ、『夜中は少し治安が悪いので外出はなるべく控えてほしい』
と念を押された。
俺は近くにヤクザでも住んでるのかな?と考えたが、まあ1ヶ月程度の事だし、ほんと
にヤバければ友達の所に居候でもすればいいだろうくらいに軽く考えていた。

が、入居してすぐにここがヤクザがいるとかDQNがいるとか、そういう「ヤバさ」の場所
ではないことに気が付いた。
色々あったので箇条書きにすると

続く

782: 3 2013/05/03(金) 22:49:03.33 ID:YQxm2UlW0
>>781の続き

そんな状態が続くので、流石に1週間目に不動産屋に苦情の電話を入れたら「ほんとうに
申し訳ない、深夜に外に出なければ実害は無いはずだからもう暫らく我慢してほしい」と
お茶を濁された。
まあ俺も実害はなさそうなのは解っていたし、あと2~3週間の辛抱と考えていたし、元々
こういう事には楽観的なほうなのでとくに気にしていなかったが。
ただ、2回だけガチでビビった出来事があった。

夜中にトイレに行ったら玄関におばあさんが座っている。
カギはオートロックのはずだが…
ビビりまくった俺が「あのー」と声をかけるとお婆さんが「お爺さんを待ってるんです、ここに
いますよね」と聞いてくる。
いないと答えても、ニコニコしながら頑なにここで待つといって聞かないので、埒があかないし
としょうがないから110番通報して連れて行ってもらう事にした。
暫らくしたら警察が来てお婆さんを説得して外に連れ出してくれたのだが、ドアを閉めたとたんに
ドアが物凄い勢いで何度も叩かれ「お爺さんをかえせーーーーー!」と絶叫された。
びっくりしてドアを開けたら白目剥いたおばあさんが警官3人に取り押さえられていた。
あのときのお婆さんの物凄い形相は今でも忘れられない。

続く

783: 4 2013/05/03(金) 22:49:55.29 ID:YQxm2UlW0
>>782
もう一つはようやく入居できるアパートが見付かったと不動産屋から連絡があった日の事。
日曜で学校もなく、不動産屋から連絡がきたあと何となく荷造りをしていたら、玄関から
ガサガサと音がする。
なんだ?と玄関へ行ってドアを開けてみると、30cmくらいのダンボール箱が置いてある。
不審に思いながらも中に入れて箱を開けてみると、かなり汚い木彫りの人形ぽいものが
入っていて、裏にサインペンか何かで「幸せになれる人形」と殴り書きされている。
気味が悪いので人形を箱に戻して玄関の外に出し荷造りを再開していると、また外から
ガサガサと音がする。
今度はなんだよ…と思いながらまたドアを開けると、さっきの箱の上に紙が置いてあり、
「幸せになれましたか?」と書かれている。
辺りを見回しエレベータや階段のほうも見てみたのだが、誰もいる気配が無い。

この頃になるとこのマンションの異様な出来事にもそこそこ慣れてきていた俺は、「ああ、またか」
と思いながら特に気にせず荷造りに戻ったのだが、今度はトントンとドアをノックする音が聞こえて
来た。
最初無視していたが、何度もしつこいので玄関をあけて怒鳴ってやろうとしたが、ドアノブに
手をかけたところでやめた。
なぜかというと、上手く説明できないのだがドアをはさんで何かすごく嫌な気配がする、
ほんと上手く説明できないのだが、全身がざわざわすると言えば良いのか、なんか
そんな感覚。

それでも外は気になるし、恐る恐るドアスコープから外を覗いてみたら、20代前半~中盤
くらいの女の人が立っている。
ただし、前身ガリガリに痩せていて髪の毛はボサボサ、両手に包帯巻いていたが…
「うわ…」とドアスコープから目を離そうとしたら、そいつがドアスコープに顔を近づけくっきりとクマ
のある血走った眼で覗き込み、「幸せになれたよね?なれたよね?」と聞いてきた。
その行動にフイを突かれた俺はびっくりして後ろへ倒れ、暫らく放心していたんだが、そいつは
多分それから1時間くらいずっとドアに張り付いて「幸せになれたよね?」と質問し続けていた。
声が聞こえなくなってから更に1時間くらい様子をみて、ドアスコープから様子を見てみたのだが、
女の人はいなくなり人形の入った箱も消えていた。
続く

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