元スレ: ∧∧∧山にまつわる怖い話Part4∧∧∧
【ヒサルキ】
【不思議な話・短編】
【不思議さ 6】★★★★★★☆☆☆☆
「ヒヒサル」【ヒサルキ関連話】
昔ある村が日照りに襲われたため水を引く事になり、その際猿男の力を借りた。
猿男はその働きの対価として「村の娘を嫁にくれ」と言いだした。
話し合いの結果、長者の三女を猿男の下へ嫁入りさせることとなった。
長者は嫁入り道具として臼と扇子を持たせることとし、
猿男は臼を担ぎ、娘は扇子を持って猿男の住む山へ向けて出発した。
途中橋を通る際、娘は扇子を川へ放り投げ、猿男にそれを取ってくれと泣きついた。
猿男はすぐさま川に飛び込んだが、臼の重みでたちまち溺れてしまった。
進退窮まった猿男は「俺はこうなってもお前の事が忘れられん」
と言い残し、川底に沈んでしまった。
今まで、私は特に興味を持っていませんでした。
それが今日、雷鳥一号さんの「くだん」の話を見てふと思い出し、
下調べをするために検索してみました。
キーワードは「猿婿入」「臼」「扇子」
ヒットしたページの中に↓こんなものがありました。
http://www.library.pref.kagawa.jp/kgwlib_doc/local/local_3001.html
(※リンク切れ)
そこに登場するのが狒猿。これは「ヒサル」と読めます…
ちょっと総毛立ちました。
おそらく狒々という妖怪の影響があるのではないでしょうか。
猿に似ているが、猿以上の存在として「狒」という字が使われたのでは
と類推しております。
あくまでも個人の考えで、全然アカデミックな説ではないですが。
しかし、面白いサイトですね。
ここを読むと、桃太郎と一寸法師と力太郎が元は一つの話だったという
説を思い出しました。
紹介された「狒猿」ではないのですが、「狒々猿」の話を一本知っています。
内容は前スレのヒサルキとほとんど同じです。
重複するのもアレかなぁと思いUPはしなかったのですが、狒々繋がりと
いうことで書きましょう。
もう一本、飛猿(ヒサル)っていう話もあるのだけど、どうしようかな?
随分と前のこと、山間の集落にある親戚の家に泊めてもらったのだという。
その親戚は猟師をしていたが、その時は物忌みをして山に入っていなかった。
ヒヒサルを殺してしまったからだそうだ。
日本に狒々がいるのかと驚いて尋ねると、ヒヒサルというのは狒々のことではなく、
歳経た古猿が化けた妖怪を指す言葉で、その谷独特の呼び名だという。
ただのヒヒとも、またオニサルとも呼ぶそうだ。
ヒヒは鉄砲で射抜いても死なず、山の獣を食い尽くして最後には自ら滅ぶという。
一種の猿神ともいえるので手を出せずにいたが、集落の赤子をさらったことが
きっかけとなり、ヒヒが現れると速やかに滅ぼすことになったらしい。
武器ではヒヒを傷つけることはできないので、滅ぼす時は火を使う。
追い詰めたヒヒに、油を掛けて火をつけたのが彼だった。
山の神を殺したための物忌みと言う訳だ。
ヒヒが死ぬと、山荒れといって獲物がしばらく取れなくなるのだそうだ。
山菜だけの味噌汁をよそいながら、そう教えてくれたという。
>おそらく狒々という妖怪の影響があるのではないでしょうか。
ええ、私もそう思います。
狒々の伝承は、「猿聟入」の類話同様、全国にあるようですから。
この話、聟殺しの話の類型になっているところも面白いですね。
この点については後述します。
>もう一本、飛猿(ヒサル)っていう話もあるのだけど、どうしようかな?
是非聞かせて下さい。お願いします。
>>343
これは、内容的に「キヒサル」の話と重なるところが多々ありますね。
・鉄砲でも死なない
・山の獣を食い尽くす
・火で殺す
・忌みごとが降り掛かる。
以前から「ヒサルキ」というモノは山との関わりが深いのではないか?
という風に考えていたので、一連の話には好奇心を刺激されます。
あと、異人伝承を連想させる点も興味深いですね。
先に述べた婿殺しの話は、異人殺しという風に読み解くことができるので、
これらの話から、山に棲む異人の存在が浮かび上がってきそうです。
と、気が付けば、随分まとまりのない文章になってしまいました。
申し訳ありません。
聟入のお話って、余所者(山から下りてきた者)を利用するだけ利用すると
殺しちゃうって流れがほとんどですね。
当時の価値観が如実に現れているようで興味深いです。
よっぽど身分差別が酷かったんでしょうね。
そう考えると、ヒサルのヒの字は、エタ・ヒニンのヒに連なる可能性もある
のではないかと思えます。
これ以上言うと言葉狩りに遭いそうですな。(–;)
まあ、実際は六部殺しのお話の単なる変形バージョンなのかもしれませんが。
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