俺はお腹が空いたし、休みたかったが、それを伝えることもできず、だるそうに対応というか医者を相手にしてた。
何枚か画像が変わった時に俺のマンションの外観の画像が出た。
今までは人物や風景、何かイベントの写真ばかりだったのにいきなり知っている画像が出て俺は驚いてついつい反応してしまった。
医者は俺の反応を確かめたみたいで次の画像にいくとマンションの俺の部屋の入口の画像になった。
リビングやキッチン、風呂場、寝室と写っていた。
キッチンから外を見る限り、この画像はこちらの世界っぽかった。
画像を全て見せ終わったようで画面が真っ暗になった。
医者達は真っ暗になったのは確認すると落胆してる奴とか熱く語りはじめる奴とかがいた。
周りの医者が「やめろよ!」みたいな感じでアイパッドを抑えようとして、喧嘩っぽくなった。
警備員が間に入り、今度は怒鳴り合いが始まった。
俺を何度も指差して何やら怒鳴ってた。
怒鳴られたほうも首を振ったり、両手で何かジェスチャーして何かを必死にお互いに伝えあってた。
で、結局、別の医者がアイパッドを出してきて、またわけのわからない人物や風景の写真を見せられた。
医者は五人いたと思う。
代わる代わる画像を見せるが、始めの一人以外の画像は意味不明だった。
で、最終的に懐からアイパッドを出した討論に負けた奴がニヤニヤしながらアイパッドを出した。
なんか怖かったけど、アイパッドを見ると
イ 画
ら 桜
って書かれた画面を出された。
俺は???ってなって何も反応しなかった。
今度は
そ あ
ややや
メンかな
離
みたいなことが書いてあったと思う。この辺はあまり正確じゃないかも。
俺はまた無反応なんだが、そいつはニヤニヤしながら画面を変えていった。
しかも、時々、こらえられないのかプッと吹き出したりしてた。
戻ってきてますよ。
ニヤニヤしたり吹き出したりしてると周りの医者が「やめろよ」ってな感じで肩を叩いたり、無理矢理向きを変えようとしてた。
で、いきなりゲラゲラ笑い出したかと思うとアイパッドの画像が中庭の画像になった。
俺は中庭だと思ってまた反応してしまった。
何となくとても懐かしい感じがした。
マンションの外観やキッチンや寝室、リビングも懐かしいはずなのに、中庭のほうになぜか感動した。
医者はゲラゲラと笑いながらアイパッドを俺の顔に近づけてきた。
5人の医者中で始めに俺に画像を見せた医者が隠し扉の方を指差して、なんか怒鳴った。
中庭の画像を見せた医者はゲラゲラ笑いながら何かを俺に向けて怒鳴りながら警備員に退場させられた。
残った医者達は頭を下げてきた。
俺も頭を下げた。なんとなく。
そのまま医者や警備員達は部屋を出た。
が、なかなか寝付けず、お腹が空いたのと喉が渇いた。
俺はベッドから出て監視カメラに向けて、箸でご飯をかきこむ仕草や水を飲み仕草をしたが、無視だった。
腹が立ってきて壁を蹴ったが無駄だった。
結局、寝るしかないのでベッドに戻った。
が、ベッドとベッドを支える台の隙間に何かがあるのを見つけた。
今、実は仕事中なんです。仕事が忙しくならなければ後一時間ほどでしょうか。
黒い土台に白い布団が上に置かれているベッドなんだが、明らかに布団以外の白いものがその隙間から出ていたんだ。
俺はそれを見付けると隙間から出した。
紙だった。
紙には
ずっとそこに
と書いてあった。
???だが、意味がわかる言葉だった。
「ずっとそこに・・・?」なんて考えていると隠し扉が勢いよく開いた。
反射的に紙を握ってしまったんだが、警備員達の狙いは明らかにその紙で俺は右手を無理矢理パーにさせられた。
警備員達は紙を回収するとすぐさま去っていった。
のしかかられたので痛いし、せっかくの発見は取られるしでマジでイライラしたが、何もしなかった。
ずっとそこに
の意味を考えることにした。
もちろん、警備員も一緒。
俺にのしかかった奴だったからイラッとしたがとにかくガツガツ食べた。
食べ終わると頭に血がいくのがわかったが、しばらくすると気分が悪くなってそのまま寝た。
気がつくとまたMRI見たいなのに入れられて検査されてた。
ブウーンって音はしたが、今度は痛くなかった。
ただ、今度は頭の中にフラッシュバックっていうのか、目を開けてるのに視界が全く別の場所になったりした。一瞬だけ。
白人で金髪の女が荒れ地に立ってる画像だったり、真っ黒なクレーターみたいなのの淵に立ってした見てたり。
次々に画像が入れ替わっていった。
段々と画像の入れ代わりが早くなり、始めは瞬きする時にチラッと見えたのが、もはやまともに目が見えないぐらいだった。
意味不明な画像と俺の思い出はランダムに映し出された。
段々と目が痛くなってきたあたりで気を失ったのか俺はベッドにいた。
ベッドにはいるんだが、目はギアみたいなのか付けられていて何も見えかった。
瞬きをしようにも目が全く動かなかった。
ベッドの肌触りから戻ってきたことはわかったが、失明したのかと不安になった。
フラッシュバックの内容は相変わらず意味不明な画像は意味不明だが、知っている画像は俺の中でも忘れかけていたような画像も出てきた。
そんな時間が続いたある時、いつものようにMRIの途中で目が痛くなって気がついたらベッドだった。
だが、例のゲラゲラ笑いが聞こえた。
声の質から同じ部屋にいて、移動しながら笑っているようだった。
時々頭を触られたりしたが、とにかく恐怖だった。
何言ってるかわからないし、暗闇の中にあの笑い声とわけのわからない言葉のみがあるのは怖かった。
しばらく笑うと「あぁー」と笑いが止まった。
で、耳元で
ずっとそこに
と囁かれた。
と囁くとクスクス笑いながら部屋から出ていった様子だった。
その直後に建物が揺れて爆発音がした。
警報がみたいなのがなり響いたが、この部屋にはだれも来ないようだった。
警報がなり続けて、しばらくすると煙の臭いがし始めた。
ヤバいと思ったが、目も見えないし、どうしていいかわからず、とにかくベッドから出た。
壁を調べたが隠し扉は開かなかった。
監視カメラがあった方に手を振ってみたが反応なし。
段々と煙の臭いが濃くなってきて、いよいよヤバいなと思っていると隠し扉が開いたような音がした。
で、誰かが入ってきた気配がした。
俺はそのままその誰かに担がれて部屋から運び出された。
トイレは部屋の中にありました。書き忘れていたらごめんなさい。
俺は神輿みたいに肩で担がれているようだった。
隠し扉は幅が細く、担いだままでは通りくいようで、頭と足をぶつけた。
で、俺は
ずっとそこに
を思い出した。それにいっそこのまま煙を吸って死にたかった。
だから、隠し扉を通させないようにわざと両手両足を開いたり、暴れたりした。
怒鳴るような声がしたが、何を言ってるのかわからない。
隠し扉を出るといろいろな方向から怒声や叫び声が聞こえた。
何より熱いし、煙がやばかった。
口と鼻のあたりにタオルを押し当てられて煙を吸わないようにされてた。
しばらく走って階段みたいなところ下りていった。
その辺でまた揺れて爆発音がなった。
床は固かった。
逃げようとしたけど、結局、また捕まって担がれた。
で、空気で明らかに外に出たのがわかった。
外には出たが、まだ走りっぱなし。
しばらく走った後にピタッと止まった。
下ろされはしたが、肩と足を押さえられた。
えっ?えっ?と思ってキョロキョロしてると顔を押さえられた。
で、今度は何やらわけのわからない言葉で話ながら目のギアが付いているあたりを触り始めた。
何度も何度も
たむから!たむから!
と言われたが意味がわからなかった。
辺りからは怒声とかビシャーとか水をまく音はしていた。
目の横の辺りが冷たくなったと思ったら痛みが走って、目が開いた。
眩しくて痛くてすぐに目を閉じたけど、一瞬見えた視界にはナイフを持った手が見えた。
たむから!たむから!
とか言われてるけど尚も意味がわからなかった。
ゆっくりと目を開けると全然知らないオッサンが三人いて、心配そうに覗き込まれた。
作業着っぽい格好をしたオッサン三人がやたらとはしゃいでいた。
周りを見ると地面はアスファルトの駐車場みたいな感じで、周りはビルだった。
で、案の定一つのビルからモクモクと煙が上がっていた。
オッサンが俺をおもいっきり引っ張ってきた。
力が強くて逆らえず結局、また担がれて走り出した。
ビルは大阪の梅田スカイビルみたいな感じで真ん中に俺はいたみたいだった。
ビルに入るとそのままエレベーターに乗った。
ぐんぐん上に上がっていった。
真向かいのビルから煙が出ているので上にいけば煙の臭いがまたしてきた。
で、上の方までいったらまた今度は下へ向かうエレベーターに乗り換えた。
すると大きな車がきた。
こっちの世界にはないような形で後部がやたらとでかかった。
俺は警察から移動する時と一緒でまた真ん中に座らされた。
そのまま車は発車。
外に出て煙が出てるビルから遠ざかった。
助手席から例のゲラゲラ笑いの医者が顔をだした。
もう大丈夫だよ。
確かにこういった。流暢な日本語だった。
俺は一瞬意味がわからなかったがもう大丈夫だよ、と認識した瞬間
うええああ!?
って叫んだ。
で、左右のオッサンを、え?え?って感じで見るんだが、左右のオッサンはこっちを見るだけで何も言わなかった。
的な返事をしたと思う。
正直、俺の方が日本語おかしかった。
ゲラゲラ「私の言葉わかりますか?」
俺「はぃ」
うまく発音はできないが、何とか日本語を話せた。
ゲラゲラ「今から、あなたを、元の世界に、戻します、いいですか?」
俺「ふい」
はいのつもりだったが、発音を忘れていた。
ゲラゲラはわかりやすいようにゆっくりと話してくれた。
俺は
「そ、そす!」
とか微妙に間違った日本語を使って返事をした。
ゲラゲラは次に例ののわけのわからない言葉で運転手のオッサンに何やら説明し始めた。
ゲラゲラ「とりあえず、これ、どうぞ」
俺は水をもらった。
書き忘れたけど、ゲラゲラはひげもじゃでテンパでロン毛の油ぎっしゅなオッサンな。
車はかなりのスピードで走ってた。
場所は都会の真ん中みたいで今の日本とほとんど一緒だけど緑はほとんどなかった。
街はそれなりに活気があるらしく大阪市を美化した感じだった。
車の中はラジオみたいなのが流れるんだが、何言ってるか全くわからん。
ゲラゲラが
「察して、いる、と、思いますが、あなたは、今、追われて、います。ただ、もう、大丈夫、でしょう」
と言った。
水と走行中の車の時間でだいぶ日本語を思い出した。
俺「俺、追われてんですか?」
ゲラゲラ「そう、あなた、は、今、」
俺「あ、もう普通に話してもらって大丈夫ですよ」
ゲラゲラはほっとしたようだった。
俺「で、俺はなんで追われてるんですか?」
ゲラゲラ「わかっていると思いますが、あなたはこの世界ではなく、異世界から来ましたね?」
俺「え?」
ゲラゲラ「京都のこちらの住所かどこかからあなたは突然この世界にきた。違いますか?」
俺「いや、ちょっとよくわからないんですが」
ゲラゲラ「同じ人間がいるにはいますが言葉も通じないし、微妙に違った世界なんですよ」
ゲラゲラはいろいろと説明を始めた。
俺は詳しい原因はわからないが、別の世界に入ってしまったこと。
異世界からきた人間なので詳しく調査されたこと。
脳を弄られたりしたが、何とか元に戻したなどを話してくれた。
とにかく元の世界に今から逃がすから、もうこの世界に来るきっかけになっただろう場所にいくな
そんな行動はするなと言われた。
ゲラゲラはだとしたらあなたはそのマンションに近づかないほうがいいと言った。
おじいさんとおばあさんに泣き付かれたことも言った。
ゲラゲラはおそらくだが、何かあなたがこの世界にきたきっかけを作ってしまったか何かだろう、とか言われた。
子供に耳から手を突っ込まれたと言ったらゲラゲラはあれに関しては自分もわからないと語った。
他にも異世界についていろいろと教えてくれた。
異世界の人達はこっちの世界を知っているということ。
異世界には昔から亜人と呼ばれる生まれながらにちょっと変わった人間がいること。
スーツ着てた子供はおそらくこれ。だが、生まれてすぐに隔離される為、詳細はわからないとのこと。
今、異世界人達はこっちの世界で宇宙に行くようにこっちの世界に行こうとしていること。
俺はゲラゲラにあなたは何者でなぜ言葉がわかるのかを聞いた。
ゲラゲラはそれは教えることはできないが、元の世界に帰らないというなら教えると言われた。
俺は迷わずに
「いや、それは」
と断った。
ゲラゲラ「私もあなたの世界の出身なんですよ」
とだけ教えてくれた。
車は高速を走って異世界の京都に入った。
看板なんかの文字は全く違うが基本的な建物や地理は同じだった。
理由を聞くと地球がそもそもなぜできたかとか説明されてイマイチわからなかった。
ゲラゲラはマンションに案内するよう言われて俺はマンションまでの道中を指示した。
例のコンビニと花屋を抜けやっと帰ってきた。
その隙に中庭に入り、この世界にきたのと同じようなことをして下さい。
的なことを言った。
ゲラゲラ達は俺の部屋のピンポンを鳴らすと俺が出てきた。
で、ドアの間に足を入れて、結構無理矢理俺を締め出した。
ゲラゲラはオッサン達に俺を任すと、早く!ってな感じで一緒に中に入った。
中庭と部屋を繋ぐドアを閉めた途端、あのグルグル回る感覚がきた。
俺はそのままグルグルして気持ち悪いのを我慢しながら、元の世界に戻るのを待った。
気がつくと俺は(多分)元の世界、この世界の自分の部屋の中庭で倒れていた。
確認の為に空を見上げると濃すぎない。
ってか寒かった。
で、それが今年の2月だ。
結局、助けてー!みたいに叫んでたら上の住人が気付いて助けてくれた。
あとはそのまま警察に保護→病院に入院。
自分がどこで何をしていたのか説明するよう言われたが、身分証明書もないし、いろいろ難儀した。
ようやく携帯電話が持てたのが書き込んだわけだ。
本当に今でもあの体験は怖いし。
あと、例のおじいさんとおばあさんは確証はないけど、マンションのオーナーだと思う。
これで全部かな。
向こう行って部屋の掃除してる時は字に違和感覚えなかった?
ゲラゲラには感謝してます。
例の子供のくだりの後遺症とか
なかったな。ちなみに数字はそのままだったよ。
病院で検査されたけど栄養失調以外とくには異常なしだったよ。
鏡をみたら無茶苦茶痩せてた。
多分、ゲラゲラの話では。二度と行きたくありませんが。
>>359
はい、そうなってました。
>>360
多分、ゲラゲラの話では。
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